Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

誰を頼る――お浜の頭はまだそこまで行っていないので、ただ無暗に口惜しい口惜しいで伏しつ転びつ憤り泣いているのです。

宇津木文之丞はその間に、すっかり仕度をととのえて、用意の駕籠に乗り、たった一人で、これはワザと門弟衆へも告げずに、こっそりと御岳山をさして急がせます。

和田村から山の麓までは三里。文之丞は禊橋の滝茶屋で駕籠を捨て、小腋には袋に入れた木剣をかかえ、編笠越しに人目を避けるようにして上って行きます。上って二十四丁目の黒門、ここへ来ると鼻の先に本山の頂が円く肥えて、一帯に真黒な大杉を被り、その間から青葉若葉が威勢よく盛り上って、その下蔭では鶯の鳴く音が聞えます。振返れば山々の打重なった尾根と谷間の外れには、関八州の平野の一角が見えて、その先は茫々と雲に霞んでいる。文之丞はしばしここに彳んでいると、黒門側の掛茶屋で、

「お早い御参拝でござります、お掛けなすっていらっしゃい」

女の呼び声に応じて茶屋に入り、腰掛で茶を呑みながら、ふと傍を見ると、茶屋から崖の方へ架け出した妙に捻った庵室まがいの小屋に、髯の真白なひとりの老人が、じっとこちらを見ています。