Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
お豊は、ここまで来て言い淀んだようでしたが、思い切った風情で、
「突然にこんなことを申し上げてはさだめし鉄面しいやつとおさげすみでもござりましょうが、あなた様が関東へお下りの節……できますことならば」
「…………」
「あの、御一緒にお伴をさせていただきとう存じます」
「一緒につれて行けと申されるか」
お豊を失望させるほど冷やかに、竜之助は呑込んだともつかず、いやとも言い出さず、やがて、
「それもよかろう、強いてお止めは致さぬ」
やっとこう言い出して、少し間を置き、
「が、そなたが江戸へ行くことは、伯父上は勿論のこと、ここの先生も、またそなたの御実家もみな不同意でござろうな」
「それはそうでございますけれど……もし故郷へ送り返されるようなことになりますれば、生きてはおられませぬ」
「ふむ――」
竜之助は団扇を下に置いて腕を組んでみましたが、よく生命を粗末にしたがる女よと言わぬばかりの態度にも見えましたが、また極めて真剣に何か考えているようにも見えます。
そうして、しばらくつぶっていた眼をパッと開いて、
「よろしい、生命がけの覚悟ならば……」
この時、表の方で人の足音がやかましい。