Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

「ええええ、鎌宝蔵院の槍の道場も、この興福寺の寺中に跡だけは残っているのでござりまする。春日様へ御参詣をなすって、二月堂の方から大仏へおいでになり、それからいらっしゃいますとそこに道場だけは残っているのでございますが、槍をお使いなさるお方なんぞは一人もおいではございませぬ」

言われた通りに来て見ると、なるほど鎌宝蔵院の槍の名残の道場、棟行は十二三間もあろうか、総拭の板羽目で、正面には高く摩利支天を勧請し、見物のところは上段下段に分れて道場の中はひろびろとしている。ここでも案内の僧は、よく説明して聞かせました。

「御承知でもござろうが、この宝蔵院流槍の開祖は、当院の覚禅房法印胤栄と申して、もとは中御門氏でござったが、僧徒に似合わず武芸を好んで、最初は剣術を上泉伊勢守に学ばれたものじゃ。後に大膳太夫盛忠というものについて槍術を覚え、それより自ら一流を開いたものでござるが、もとより武芸は出家の心でない、覚禅房は刀槍を好んで、かくは一流を開きましたなれど、内心はこれを欣ばれぬじゃ。わが後の者必ず武芸を学ぶべからずとあって、武器兵器はことごとく人に授けて、この寺へは一本も留め置かぬ。