Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
薩摩の田中新兵衛とは何者とたずぬるまでもなく、その時分、評判者の斬り手である、人を斬りたくって斬りたくってたまらない男である。島田左近を斬ったのもこの男だと言われているのである。そうして、当時有名な志士の間にも交際がある、現に四五日前も、姉小路少将の家へ来て何か意見を述べて行ったことがあるという。
「田中を捉まえろ」
田中は平気で薩州の邸内に寝ていた。呼び出してみると、
「左様なことは存ぜぬ」
頑として、首を横に振る。
「存ぜぬとは卑怯であろう」
役人は詰る。
「卑怯とは何だ、知らぬ者は知らぬ、存ぜぬことは存ぜぬ」
新兵衛は役人をハネ返した。
「証拠が物を言うぞ、隠し立てをするな」
役人は突っ込む。新兵衛は沸然として、
「田中新兵衛は人を斬って、刀を捨てて逃げるような男ではござらん」
あくまで手剛いので、役人は下役を呼んで持って来さしたのが、例の捨てて逃げた刀である。
「新兵衛、この刀に覚えがあるか」
役人は、それ見たかと言わぬばかり。
「拝見」
新兵衛は、その刀をとって見た。自分の刀である。
「さあ、どうじゃ、その刀は誰の刀であるか」
新兵衛はじっと見ていたが、