Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

「へえ、番頭でございます」

「さいぜんから、この隣室を明けておもらい申すように再三申しつけたところ、なんでそのように取計らわぬ」

「恐れ入りましてございます、では手前からもう一応」

番頭は非常に恐縮して、すぐその足で竜之助のところへやって来ました。

「御免を願いまする――」

「何用じゃ」

「どうも、混雑致しまして、行届き兼ねまする。時にお客様――甚だ申し兼ねた儀でござりまするが、このお部屋は、ちと喧しゅうござりますので、どうか、あちらへお引移りを願いたいものでござりまして……」

「いや、ここでよろしい、かえって賑かでよい」

「へえ……」

番頭は思わず頭に手を置いた。

「それに致しましても、隣室の衆が、お気の荒いお方のように見えますから、もし間違いでもありましては……」

「いや、心配することはない」

「でも、もしやお間違いが出来ますると、あなた様のみならず手前共まで迷惑致しますから、どうぞお引移りを」

「こちらが黙って控えておれば間違いの起る筋もなかろう、心配するな」

「でもござりましょうが……」

「ここでよろしいと申すに」

番頭は困じ果てた。この時、隔ての襖を荒っぽく引きあけて、