Japanische Klassiker mit Furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
と合点するのであった。
今年は、どこへ第一着につくりはじめるかなとそれを捜すのに興味を持ったのだ。学校から帰ってくると、鞄を上がり框へ放り出しておいて、裏の篠や鎮守の林、寺の裏の椿の木などへ走って行って、あっちこっちと捜しまわるのである。
しかし、もずは巣をつくるのにまことに用心が不足している。人の眼につくところなど、平気で巣をかけはじめる。椿の葉の密生したところと篠薮の密生したところが、だいぶ好きらしい。それに巣の位置が低い。私ら子供の手さえ届くくらいのところへ、平気で巣を営むのだ。
それからさらに面白いことには、巣には必ず目印をつけて置く。巣をつくり終わると、神社の拝殿か新築の家の屋根の箱棟から、お祓いの白い紙をつみ切ってきて、それを巣に吊るすのである。それは、なんのためにするのであるか人間には分からないが、もずの巣には必ずどれにも、このお祓いの紙がさがっているのをみると、多分これは目印のために吊るすのではないかと思う。だから私ら人間の子がもずの巣を捜すにはこの目印を目標としていくのだ。こんな訳で巣を捜すには大して骨は折れなかったが、もずの子は捕まえてきても育てるのがむずかしい。