Japanische Klassiker mit Furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
幸いにして諸君も社外にあり、主家再興の気持ちをもってこの老人を助けて貰いたい。と、いう意味の希望にみちた演説をしたのである。
これを聞いて、来会者は悉く感激した。頽れゆく旧主家に、救いの神が現われたような気持ちがしたのであった。
それから、翌春になって暮れに招かれた連中が相集まり頼母木新社長を招待し、感謝慰労の会を開いた。その席上でも、頼母木は自分は報知新聞社と共に討死するつもりである。と、壮心燃ゆるような演説をしたのであった。人々は、杯をあげて昂奮した。報知新聞社黄金時代の再来を夢みて、席上の談笑に暖かい春風が訪れたのである。その夜、私は家へ帰ってから、
春の川 曙うつし 流れけり
こんな俳句みたいなものを作って、ひとりで喜んだ。
笑って貰っては困る。いまもなお、報知新聞社は丸の内の一角に、毅然として栄華を示しているけれど、往年全国の読書界を風靡した時代に比べれば、いささか下り坂だけは争えない。社の古い関係者が、この姿を見て誰か嘆かぬものがあろうか。そこへ、社の古い有力な関係者が現われてきて、自分の光栄ある死華のために主家の再興に努力専念するというのであるから、報知新聞黄金時代の再来を夢みるのが当然である。