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Japanische Klassiker mit Furigana

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たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme

Aozora Bunko

馬肉の方を上等なりとしている人さえある。ところが、大阪人は鯨の肉をよく知っている。紀州や土佐の国など鯨の産地が近いから、鯨の生肉がたやすく手に入ったためであろう。

しかし、大阪の商人はひどいことをやった。生肉のおいしいところは、大阪で上手に料理させ手前たちの口に入れてしまって、捨ててもいい下等の肉、つまり動物園へでも運びこもうか、という代物を缶詰にこしらえて全国へ売り出したから、鯨はまことにおいしくない、ということになってしまった。鯨肉をまずいものにしたのは、大阪商人の罪だ。

それはとにかくとして、僕の会社のキャッチャーボートが四、五艘、いま牡鹿半島の鮎川港を根拠地としていて、毎日金華山沖で盛んに捕鯨をやっている。僕は、近いうちにそれを視察に行くことになっているから、君も一緒に行ってみないか。そこで、鮮鯨の肉の素晴らしいのをご馳走しようじゃないか、というような訳になった。

よし、万障繰り合わす。

さて、このほどいよいよ金華山沖へ漕ぎ出すことになった。仙台から牡鹿半島の突端まで二十五、六里、その間の山坂ばかりの長い道中を、スプリングの弾力が萎びてしまったバスに揺られて漸く鮎川の町へ着いてみると、馬鹿に臭い。