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Japanische Klassiker mit Furigana

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たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme

Aozora Bunko

洋上一面の濃霧で、三、四町先も見えないくらいだ。展望がきかないから鯨はおろか鴎さえ見えないのだ。

霧の流れる船橋に集まって、船長から鯨の話を聞く。

鯨には抹香鯨、槌鯨、つばな鯨、白鯨、ごんどう鯨、白長鬚鯨、長鬚鯨、鰮鯨、座頭鯨、背美鯨、北極鯨、小形鰮鯨など大分変わった種類があり、すなめり、いるか、さかまたなどがその親戚になっている。このうち白長鬚鯨と長鬚鯨、抹香鯨が上等で、中でも白長鬚鯨が一番金めになる。

一体、鯨の体重は長さ一尺一トンという計算だが大きくなるほど割合が増してゆく。百尺もある白長鬚になると、重さが百二十トンもあろう。自分達が一日に一貫目ずつ鯨を食うにしたところが、一生かかっても百尺の鯨は食いきれるものではない。

大きな白長鬚鯨一頭で、まず値打ちが二万五千円から三万円というところだろう。抹香鯨は長さは五、六十尺で鯨としては中型だが、この頭だけでも自分たちの住んでいる家くらいはある。その頭の中に、一頭で石油缶二百五十杯の脂が入っている。一頭の抹香鯨の値打ちが、一万円前後というところだろう。

この第二京丸は、昨年の秋から南極へ鯨捕りに行って、この四月に帰国したのだが、南極では百五十頭の大鯨をとってきた。