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Japanische Klassiker mit Furigana

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たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme

Aozora Bunko

まあ、モダンガールといったところでしょうかな。

ところが雄鯨は情愛が深い。雌鯨が銛を打たれると、決して側を離れないのである。心痛、悲哀の状を真っ黒い背中に現わして、雌の傷口から流れ出した鮮血で真っ赤になった海上を、おろおろと徘徊する。そこで砲手は人情を出してはいけない。続いてズドンと雄に一発喰わせる。まず、雌を撃ちとって置けば、一漁に二頭を獲るのは定跡となっている。鯨の鼻の下の幅を計ったことはないが、人間の男と大差はないらしい。

また、甚だ物のあわれをとどめるのは、離れ抹香という奴である。抹香鯨というのは、一頭の雄を二、三十頭の雌がとり巻いて、大群をなして洋上を泳いでいる。ところで、一つの大群と一つの大群が遭遇したら大変なことになる。双方の群れの中から、大きな雄が躍り出して死闘をはじめる。結局、一方が負けるとそれについていた二、三十頭の雌は、悉く勝った方の抹香鯨の群れに投じてしまう。

負けた雄鯨は、一人ぽっちになってしまうのだ。何と情けない雌どもでしょう。これを離れ抹香というのだが、一人ぽっちになった雄鯨は、ほかにも雌から嫌われた雄があるとみえて、大きな雄ばかりが七、八頭群れをなし、雌をまじえず仲よく泳いでいることがある。