Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
さらに加役として支那芹と菊の華をあしらい、ついで餅と狸の肉を入れるのだ。
つまり、広州の三蛇会料理というのは、日本のちり鍋で、へびちりとかたぬちりとか呼んでいいのかも知れない。こんなわけで、狸は支那の代表的料理の主役を勤め、第一その肉は人の肺気を強くし、脾胃を補い、皮は裘を製し、骨は邪気を除くと本草に見えている。さらに狸は冬月に極肥し、山珍の主なりと説明しているから、狸汁に憧憬する者、あにわれ一人ならんやと、多年思ってきたのであった。
ところで数年前ある冬の夜、虎の門のさる料亭で狸汁の試食会をやるという話を伝えきいた。私は待望の機きたれりとばかりその試食会へ駆けつけた。集まっている人々の顔ぶれを見ると市内有数の割烹店の主人、待合の女将、食通、料理人組合の幹部といった連中で、どれもひとかどの者ばかりであった。配膳が終わると主催者が立って挨拶をはじめ、ついで長々と狸肉の味について、その蘊蓄を傾けるのである。
私には、その蘊蓄など、どうでもよろしい。一刻も早く狸肉に接して、その漿を賞翫したいと思っているのだが、なかなか本ものが出てこないのである。出るものいずれも月並みの会席料理で、これは一杯食わされたかと考えていると、主催者から、これから、いよいよ狸汁を差しあげますという宣言があった。