Japanische Klassiker mit Furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
ほかの議員達は国士めいた顔つきで、肩いからしているのが普通であるのに、この議員はなにか目ざしているのか、まことにはや、にやにやとホテルの番頭さんのようだ、と感じたのであった。
そんな人柄の小山議長が、いじめられるというのであるから、きょうはどんな風に頭をさげるであろうか、と昔のことを思い出して衆議院へ行ってみた。ところで、開会劈頭社大の浅沼が管を巻いてかかると、小山議長は昂然として浅沼に一撃を加え、騒ぐ議場を尻目にして日程変更を宣した。
人間は、偉くなってしまえばなあ、と思った。昔のペコペコの俤はない。
それからやがて、大口喜六が壇上に起った。これも、私には思い出の人だ。ひどく演説がうまくなったものだ。
明治四十五年の初夏のことであるから、もう三十年近くの昔になる。当時、私は三州豊橋に遊んでいたので一日彼を、豊川の流れの近くの家へ訪ねて行った。折りから彼は、選挙最中で犬養木堂の家来として国民党の候補に立ち、大分忙しそうであったが、私を応接間へ通し黄色い声で、なにかひどく威張ったのを記憶している。
そのとき、眼鏡をかけた細面の奥さんも応接間へ現われたと思う。