Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
さあ話賃に一杯注げ注げ」
なみなみと注がせし猪口を一息にあおりつつ、
「なあお豊、今も母さんと話したことだが、卿も知っとるが、武男さんの事だがの――」
むなしき槽櫪の間に不平臥したる馬の春草の香しきを聞けるごとく、お豊はふっと頭をもたげて両耳を引っ立てつ。
「卿が写真を引っかいたりしたもんだからとうとう浪子さんも祟られて――」
「あんた!」お隅夫人は三たび眉をひそめつ。
「これから本題に入るのだ。とにかく浪子さんが病気が悪い、というンで、まあ離縁になるのだ。いいや、まだ先方に談判はせん、浪子さんも知らんそうじゃが、とにかく近いうちにそうなりそうなのだ。ところでそっちの処置がついたら、そろそろ後釜の売りつけ――いやここだて、おれも母さんも卿をな、まあお浪さんのあとに入れたいと思っているのだ。いや、そうすぐ――というわけにも行くまいから、まあ卿を小間使い、これさ、そうびっくりせんでもいいわ、まあ候補生のつもりで、行儀見習いという名義で、川島家に入り込ますのだ。――御隠居に頼んで、ないいかい、ここだて――」
一息つきて、山木は妻と娘の顔をかれよりこれと見やりつ。