Japanische Klassiker mit Furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lesen Sie 山の人生 (やまのじんせい) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.022 Zeichen · 226 Bildschirme
紀州熊野でも山中に小屋を掛ける人たち、谷の奥が行抜けになって向う側へ越えうる場所はこれを避け、奥の切立って行詰まりになった地形を選定するのを常とした。その理由は行抜けのできる谷合は、通り物の路に当っているからだと、南方熊楠氏に告げた者があるそうだ。
そうかと思うと一方には、人が開いた新道を、どしどし彼らが利用している場合もあるらしい。秋田から仙北郡の刈和野へ越える何とか峠には、頂上に一軒家の茶店があった。秋田の丹生氏がかつてこの家に休んだ時、わたしらももう何処かへ引越したいと、茶屋の主がいうので、どういうわけかと訊ねてみると、じつは夜分になると、毎度のように山男が家の前を通る。太平山から目々木の方へ越えて行くらしく、大きな声で話をしてどやどやと通ることがある。この峠は疑なく山鬼の路らしいから、永くはおられませぬと答えたそうである。遠野でも町から北へ一里ばかり入って、柏崎の松山の下を曲がる辺に、路が丁字に会してその辻に大きな山神石塔を立ててある。近い年或る人が通行していると、山から下りてくる足音がするのを、何の気なしに出逢うて見たところが、赤い背の高い眼の怖ろしい、真裸の山の神であった。