Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
森谷の親父はまたそれを考えて敬二郎の野郎を婿にしようとしていたんだし」
「しかし、お嬢さまが敬二郎さんに電報を寄越さねえで正勝さんに寄越したのなら、それだけでももうお嬢さまの気持ちははっきりと分かるようだがなあ」
「卯吉爺さん! そりゃあおれにだって、見当も考えもあっての話だがなあ。いまに見てろ、この辺はまるで変わったものになるから。卯吉爺さんなどだって、いまよりはきっとよくなるから。爺さん! 一杯まあ飲め」
正勝はしだいに酔いが回ってきて、爺のほうへぐっと盃を突きつけながら叫ぶような高声で言うのだった。
「これはこれは……」
爺は微笑を崩して盃を受けながら、正勝を煽りだした。
「そんな風にしてくれりゃあ、村にとっちゃ神さまのようなもんだ。村の人たちのためにでも、ぜひともお婿さんになってもらいてえもんだなあ。村の人たちがよくなりゃあ、おれのほうもすぐよくなるのだし、そりゃあぜひとも……」
「紀久ちゃんの気持ちを、どうかして敬二郎の奴から裂いて……」
その時、入り口の戸が開いて、不意に敬二郎が入ってきた。正勝は急に口を噤んだ。そして、正勝と爺とは顔を見合わせた。