Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
紀久ちゃんが自分の気持ちを言い張れば、親父だって無理やりに押しつけたりしやしめえから」
正勝はそしてまた、ぐびりと酒を呷った。
「お嬢さまがおとなしいからって、牧場を始めるときのことを考えれば……」
「それなんだ。それだよ、卯吉爺さん! おりゃあ森谷の財産を自分のものにしてえと思わねえが、おれの親父ばかりじゃなく、開墾場のほうの何人かの人たちが実に酷い目に遭っているんだから、できれば開墾場の人たちが当然自分の土地として牧場のほうから貰っていい土地ばかりは開墾場の人たちの手に返してやりたいんだ。おれの親父がそう考えていたんだから、親父の気持ちを継いで、おれの手で返してやりたいんだ」
「それは立派な考えだ。いまならもう、お嬢さんの気持ち一つでどうにでもなるんだから、お嬢さんが敬二郎さんよりゃ正勝さんのほうを好きで、正勝さんが森谷さまのお婿さんになられて、たとえ半分でも返してやったら、開墾場の人々がどんなに喜ぶか……」
「それで、おりゃあ、それだから、紀久ちゃんの気持ちをどうしても敬二郎のほうへは靡かせたくねえんだ。敬二郎の野郎に森谷の財産を奪られてしまえば、それでもう前と同じことなんだから。