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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

自分のもの顔をするのはよしてくれ」

「きみは本気でそんなことを言ってるのか?」

「本気だとも。きみが紀久ちゃんと結婚して森谷家を相続したら、そん時にゃあ立派に返事をしよう」

「そんなことを言って、浪岡を見えなくでもしたらどうするんだね? 浪岡が高価な馬だってことは、きみも知っているだろうが……」

「余計な心配だよ。どこかその辺の開墾場へ逃げ込んだに相違ねえから、開墾地のだれかが森谷家への貸し分の代わりに捕まえるだろうから。開墾地の人たちゃあ、開墾の賃金をほとんど貰ってねえのだからなあ」

「無茶なことばかり言って、困るなあ」

敬二郎は溜息を吐くようにして言った。

「正勝!」

怒鳴りながら平吾が前へ出た。

「手出しをしてみろ!」

開墾地の人たちが肩を持ち上げながら、ぞぞぞっと歩み寄った。

ちょうどその時、そこへ一台の幌馬車が通りかかった。幌馬車はそこに立っている馬や人々のために進路を遮られた。敬二郎らは馬を路傍へ寄せた。開墾地の人たちも、正勝と一緒に吾助茶屋の軒下に退いた。

2

幌馬車には紀久子が乗っていた。

「敬さん! どうしたんですの?」

紀久子は馬車の上から声をかけた。