Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

「いや、みんなに迷惑はかけられん。これから県役署へ自首して出る。ただ、おふくろだけを。……何ぶんとも」

と一顧、老母の姿へ胸中一ぱいな慚愧の眼を伏せて、わんわんと立ち騒いでいる群集の中を同僚の手で曳かれて行った。

折ふし、小屋の木戸は、これから灯も入れ客も入れようとしていた汐時だった。だが今はそれどころか、降ッて湧いた椿事である。ただ一人しかない花形の女太夫が横死とあっては、演劇囃子も幕開けのしようもない。太夫元の白玉喬は、裸足でとび出して来たが、娘の死骸を見るや、号泣して、何か、あふ、あふ……とわけのわからぬことを口走りながら県役署の方へ素ッ飛んで行き、町辻という町辻は、すべてこの噂で宵も夜半も持ちきりになってしまった。

蓮咲く池は子を呑んで、金枝の門にお傅役も迷ぐれ込むこと

ここに州県城の町与力では、雷横とならんで古顔でもあり人望家の、美髯公の朱同がある。

女太夫殺しの件もややしずまった一週間ほどの後のことだ。

済州奉行所へと差立てる一囚人に付いて、朱同の人馬は、旅途にあった。囚人はきのうまでの刎頸の友、同役の雷横なので、馬上の、彼の顔も怏々として、つね日ごろのものではなかった。