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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

「……これは重態だ。鏃に毒を塗った毒矢であったに相違ない」

水滸の寨は、このため、一同色をうしなった。さっそく宛子城の病房に入れ、金創の手当やら貴薬を煎じて飲ませるなど、日夜の看護に他念もない。しかし晁蓋の息づかいは、刻々悪化するばかりだったし、加うるに、林冲、徐寧、呼延灼らの部隊も、総大将を失った結果、支離滅裂となって、ぞくぞく、敗戦の戦場からここの泊中へ引きあげていた。

「……すまなかった。賢弟たちの忠告をきいていたら、こんなことはなかったろうに」

そうした一日のこと。

晁蓋は、身うごきもならぬ体のまま、にぶい眸で、枕頭にいた宋江と呉用の顔を見あげ、そして虫の息で……。

「あとを……あとをひとつ、よろしく頼む。……そして誰でも、この晁蓋を射た矢の主を、つかまえたら、その者を梁山泊の次の盟主に立ててやって行ってくれ給え」

と、遺言した。

抜きとったその矢は大事にしまってある。後日のためにだ。矢柄には「史文恭」の三文字が彫ってあったのである。

「総統、しっかりして下さい。そんなお気の弱いことでは」

「いや、もうだめだ。人には天寿がある。わしの天寿はもう尽きたらしい」