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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

蔡福は言い捨てて行ってしまった。宿なしの燕青には世間の同情があったらしい。蔡福はそんなことを考えながら大街通りの州橋を渡っていたが、するとまた、

「おかしら、うちの二階に、お待ちかねのお客さんが、さっきから見えてますよ」

と、馴じみの女が呼びとめる。

茶館の二階に待っていたのは李固だった。うしろの扉を密閉すると、李固は延金で五十両を卓においた。そして“闇から闇へ”の取引きを初め、蛇の道はヘビ、多くはいわないでも……と謎をかけた。

蔡福は、わざととぼけて、

「はてね。なんのおはなしで?」

「いやですぜ、大牢のおかしらが。諺にも、おなじ穴の貉は化かし合わぬ、というじゃありませんか」

「貉になれっていうわけかい。おい李固さん、お役所前の戒石に、こう彫ってあるのをしらねえな。――下民ハ虐ゲ得ルトモ、上天ハ欺キ難シ――と。真っぴら、真っぴら。後日、提刑官(監察)に睨まれて、かかりあいになるなんざアご免だよ」

こいつはいけないと見たので、李固は相場を上げた。五十両を百両にし、百両を二百両、さらに三百両とまでわれからセリ上げてみせると、もう蔡福の顔色もはっきり欲にうごいている。