Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
李といって、子飼からのわが家の下僕さ」
「おや、苗字は妾とおなじなのね。わたしはよいが、李太白(唐朝の大詩人)さまは、さぞ……ホ、ホ、ホ、ホ」と、その花顔を袂の蔭につつみながら「ご迷惑がッていらっしゃるでしょうね」
「うまい、よく言った!」
みなどっと笑ったが、ご当人の李逵だけには何の意味か分っていない。
もう次の間で飲み初め、嫉けてくるのか、すこぶるご機嫌がななめである。戴宗も大杯で仰飲るし、柴進も負けてない。いや宋江もめずらしく大酔し、酔うと彼の癖で、筆硯を求め、楽府(絃にのせて歌える詩)の一章を、墨も、りんりと書き流していた。――するうちに、突然、
「お上が、いつもの御門からお見えなされましたぞえ」
と、楼中へ告げまわっている声がした。聞くと、李師々大夫の心はもうここにない容子ですぐ立って行ってしまうし、あとの座敷をかまっている女もいない。
「……叱っ。静かに」
宋江と柴進とは、これを機に、台臨の間の中庭へ忍んでゆき、ほかの面々も、影をひそめた。巷間、その当時の隠れない取り沙汰では、時の風流天子徽宗は、禁中から廓まで地下道を坑ってしげしげ通っていたものと言い伝えられている。