Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
とばかり彼の応戦者として立った。
これを見ると、わあっと全山は笑いに揺れた。肉のひきしまった色白な若者だが、背は任原の三分ノ一ほどしかない。しかも一個の素町人らしい。しばらくは嘲声がやまなかった。しかしそれが止むのを待って、やっと行司は真顔で訊いたものである。
「お若いの。お名まえは」
「山東の張ッていう旅商人だよ」
「どういうお覚悟で出なすッたのか」
「覚悟。べつにそんな物ア持ち合わせねえさ。ただあそこにある賞品が欲しいのでね」
「げっ。正気か、哥さん」
「行司さんよ。おめえは行司だけが役目だろうぜ」
「退いた」と、時に任原も横手を振って行司の年寄りを遠くへやって。「――おお若いの。よく出て来た。角力とはどんなものか、望みとあるなら味をみせてやろう。ただしだぞ、首の骨が折れたの、血へどを吐いたのと後でいっても、角力道に泣き言は追ッつかねえのが約束だ。おふくろは合点なのか」
「ふざけるな。勝負はしてみなければわかるまい。てめえこそ、死顔にベソを掻くな」
「よし、いったな、支度をしろ」
「おお、いわれるまでのことはねえ」
燕青は、頭巾を払った。今朝、櫛目を入れておいたきれいな髪――。