Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
彼は近衛の一将として、武芸十八般に秀でた男。――彼とここにて、槍術を競べてみせい」
「おそれながら……」と、周謹は口をとがらせた。
「流され者の一兵卒と、試合せよとは、余りにも」
「なにをいうか」梁中書は、わざと、声を高めて一喝した。
「いまや諸国に盗賊はびこり、国境には、遼族、女真の賊の窺うもあって、今日ほど国家が人材を求めているときはない。まこと神技の武術を身に持つ者なら、一兵卒たりとも、これを用いぬは、国家への不忠である。それを周謹は不服だというのか」
「いや、決して、さような意味では」
「なればこれへ、楊志を呼べ」
召し出された楊志は、かねがね梁中書の好意のあるところを覚っている。もとより異存のあろうはずもない。
両人は、黒ずくめの戦袍(よろい)と黒駒を与えられた。使用の武器は、たんぽ槍(穂先を羅紗でくるんで玉とした物)で、それにたっぷり石灰がふくませてある。
「いざ」
と、将台を前にして、両人、馬上の槍を戦わせた。
真槍でないから、ちょっと、勝負の判定は難しいようだが、しかし、腕前の差は歴々とあらわれた。馳け合うことしばし、周謹の体や黒馬の肌には、白い痕が斑々と描き出されたのにひきかえ、楊志の五体や駒には一点の痕もついていない。