Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
夫妻の階前で、両名は手を握って、出立した。
同勢すべてで十七名だった。多くは一様な強力姿だが、楊志と謝は隊商の長といった装い。山東笠を日除けにかぶり、青紗の袖無し、麻衣、脚絆、麻鞋の足ごしらえも軽快に、ただ腰なる一腰のみは、刀身のほども思わるる業刀と見えた。
はやくも朝霧の街へ出て、西の城門街の出口へかかる。楊志一人は、手に籐のムチを携えていたが、それを小脇に、山東笠のひさしへ手をかけて、城門の鼓楼を仰ぎ、
「梁中書の御使の者ども、都をさして、ただいま、ご城門を通ります」
と、呼ばわると、上の鼓楼で「おおいっ」という答えが響く。と同時に、門側の番卒隊が不時の開門なので、とくに総勢でそこに立ち現れ、
「お通ンなさい!」
と、巨大な鉄扉をギイと左右へ押し開いた。
時は五月も過ぎて早や大陸の砂は灼けていた。夏雲はぎらぎらと眸を射るばかり地平線を踏まえて高く、地熱は鞋の底をとおして、足の裏を火照らしてくる。
行嚢を負う蟻のごとき列は、早くもポタポタと汗のしずくを地に見つつ喘ぎあるいた。日頃ひと口に、開封東京とやさしく呼び馴れてはいたが、いざ一歩一歩を踏み出してみた千里の輸送路となれば容易ではない。