Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
これがなかなかの役者だった。すなわち、酒売り男に扮して好演技を見せた男で、この黄泥岡の近村に住む白日鼠の白勝という遊び人なのである。日頃、晁蓋に目をかけられていた縁から、一味の足溜りとして、白日鼠の家が選ばれ、彼も一ト役買ってでたというわけ。
そこで、次には。――麻痺薬の使われた手順だが、これがまた、すこぶる手のこんだ筋書だった。
事の初め、まず七人が、一つの桶を、空にした。そして、銭を払った。
その隙に、べつの、も一ツの桶のフタを開け、無断で椀に半分飲んだのが、赤髪鬼の劉唐だ。
劉唐が逃げる、酒売りの役の白日鼠が追ッかける。
その留守に、
残る組が、また無断で、あとの桶の分を、争ッて飲みかける。或いは、飲んでみせる。
酒屋の白日鼠、仰天して戻るやいな、絡み合いの争いと見せ、それを潜って、呉用先生が、すばやく、麻痺薬を椀に入れ、その手で、桶の酒を汲もうとする。――この瞬間、手品のごとく、毒はすでに桶じゅうの酒に、掻き廻されていたものだった。
あとは、同勢わッと逃げる。奪った椀を、酒屋が投げつけて罵り散らす。これで計略の筋は終っていたもので、後世、名づけてこの一場の劇を“生辰綱の智恵取り”といったものだった。