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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

「おいおいみんな。ひと休みしたら、また手分けして出かけようぜ。室長の額を見たら、ぐッと応えてしまったよ。今夜は一つ夜どおしだ。仕方がねえや、蟋蟀になった気で、当分、草の根を分けて歩くんだな」

――そんな声を背に聞き流して、何濤は気分が冴えないまま、その晩は、家へ帰ってしまった。

彼の妻は、晩酌の膳にも浮かない良人を見て、

「どうしたのよ、あなた。……そのお顔の刺青はさ」

「例の一件さ。刑事頭の女房が、そんなこと、クドクド訊かねえでもわからねえのか」

「と、察してはいますけれどさ。なんぼなんでも」

「是が非でも、十日以内に挙げろッてんだ。しかもまだ、下手人どものホシは五里霧中、なあ女房、わが家の灯を、こうして見るのも、あと十日限りかも知れねえぜ」

「よしておくれよ、心ぼそい」

「だって仕方があるめえじゃねえか。お奉行だけの一量見でもなし、こんどのことあ、蔡大臣直々のご厳達ときていやがる。過ったなア、俺も一生の道を」

「……おや、誰か玄関へ。お客かしら?」

「なアに何清だろ。……弟の何清が、また博奕で摺って、不景気な面を見せにきたにちげえねえ。今夜は、俺は会いたくねえな」