Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「これでわたしが、もう三十も若かったら、あんな人を独り下宿屋などに寝かしちゃおかないんだが……」と口惜しそうに言ったりした。すると王婆はげたげた笑って、
「なんだね、お前さんたら、まだそんな色気があるのかい。婆惜さんというあんな妙齢の娘を持ッてるくせにさ」
「措いとくれよ。この年じゃあ、どう思っても、高嶺の花だぐらいなことがわからないでどうするもンかね。だからもし、押司さんさえよかったら、わたしゃあ娘の婆惜を、あのお方に持っていただきたいと願っているのさ。わからないかえ、それが本心なんだよ」
「ほんにねえ、婆惜さんは十九だっけね。閻婆の娘とは思われないッて誰もいうほど、ひと目見た者はみんな一ト目惚れする縹緻よし。それに芸事といったら、道楽者のおやじさんが可愛がって仕込んだだけに、たいそうなもんだのに」
「それやあお前、こんな山東の田舎とは生れが違うよ。死んだおやじがまだ都の東京で盛んに商売をやっていた時分は、わたしも朝湯寝化粧だったけれど、あの娘も蝶よ花よと小さいときからの芸仕込み。それを色街の姐さん芸者だの料理屋の楼主が惚々と見ては噂して、ずいぶん養女にくれの何のといわれたものさ」