Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
だが、女とすれば、こんな堅人は面白くでも酢ッぱくでもないのだろう。一しょに寝てさえ何となく味気ないやらぎこちなくて、地獄で母子が救われた恩人とは思ってみても、ついぞ真底、自分の男と抱きしめる気にもなれぬし、抱きしめられて、枕を外したこともなかった。
「……それにひきかえ、旦那の連れて来た張文遠さんは、役所では旦那の下役だそうだけど、なンてまあ、ほどのいい……」
彼女はその晩、すっかり張三(文遠)に魅されてしまった。色の黒い黒宋公旦那が、色白な張三の肉付きに見較べられては、よけい虫が好かなくなった。恋情は別れ際の眼もとにあふれていたろう。またそこは色道にかけての玄人張三のことだから、
「……ははあ、こいつは、ものになるナ」と、早くも見ていたにちがいない。
その後、いつのまにやら張三は、こッそり、ここへ一人通いをしはじめていた。つまり客ならぬ妾宅の間夫――。娘で食っているおふくろなので、閻婆もそこは巧く逢う瀬のやりくりをお膳立てしてやるしかなかった。後で思えば、これや“猫にかつぶし”のたとえ。下役の張三を、わが妾宅へ連れて来たなど、宋江としたことが一代の大失策だったといっていい。