Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「では、瘧が取り持つご縁だったか」
「襟首の蝋燭焼きなんてものは、瘧に効くもンでございましょうかね」
「ほ。どうして」
「なんだか、けろりとしてしまいましたよ」
「はははは。そいつあ奇妙だ」
満座は腹を抱えて笑い、さらに杯盤を新たにして、男と男の心胆をそそぎ合う酒幾斗。やがて鶏鳴まで聞いてしまった。
こんなことから、宋江、宋清も日々を愉しく過ごし、武松もまたつい旅立ちをのばして、その交わりを深めていたが、
「故郷にのこした兄貴が気がかり、どうして暮らしているのやら、いちど兄貴のこの頃も見ておきたい気がしきりにしますので」
と、武松は或る日、急に暇を告げだした。
「まあ、待ちなさい、明日一日は」
と、柴進は彼への餞別をかねて、倉の中から秘蔵の織物一巻を取り出し、それを三つに裂いて、一は宋江の衣裳に、二には宋清に、次には武松への旅の晴れ衣に仕立てさせた。
はるか西の沙漠を越えて輸入されたすばらしく新鮮な色感と匂いのするそれは布地だった。それを着て、白紫の縞脚絆に、緋房の垂れた黒の乾漆笠をかぶり、野太刀を打っ込み、樫の一棒を手に、武松は、
「いずれぜひまた、お目にかからせていただきますが、ひとまずは、長いご厄介と、思わぬお方へお目にかかったお礼をのべ、ちょっくら故郷へ行ってまいります」