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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

こんなお客って見たことがない」

「冗談いうな。俺が飲むのはこれからだよ。もう三碗並べておけ」

それも飲み干し、あきれる亭主を尻目に、

「おいっ、もう三碗」

「げっ。……ま、お止しなすっちゃいかがですえ」

「俺を、ただ飲みして逃げる男とでも思っているのか」

銀子をそこに並べ、さらに肉を食らい、香の物をばりばり噛みながら、やがてやおら、

「ああすこしいい気もちになった。これが三碗ニシテ丘ヲ越エズの酒か。高価いものにつきゃあがった」

と、棒を片手に、ぶらんと軒を離れて行った。

すると、彼の後を追って来た亭主が呼んだ。

「もし旅の衆、旅の衆。どっちへ行かっしゃる」

「なにをいッてやがる。向いてる方へ向いて行くしかねえじゃねえか」

「そっちへ行っては、景陽岡にかかりますぜ」

「それが、どうしたと」

「途々、お上の高札が目にとまりませんでしたかえ。近ごろ景陽岡には、額の白い大虎があらわれて、たびたび往来の旅人や土地の者さえ食い殺されていますんでね」

「ふウむ。虎ッてえなあ、おめえんとこの店でよく暴れる奴のことじゃねえのか」

「ちッ、真顔で聞いておくんなさいよ。親切気でお止めしているんですぜ。