Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
でんと、投げとばされていたのである。
「ち、ちくしょうッ」
起とうとするや、また投げとばされ、すでに手裡になかった棒は、王進の手に移っていた。そして、その棒の先に、九ツの龍の肌は、まるで竹箒に弄ばれる蜘蛛のように、離されては伏せられ、逃げかけては絡みつけられ、果ては、死に絶えたかのごとく、へたばってしまった。
「どなたか、ご子息へ、水を持って来てあげてください」
言いながら、王進は、史進のそばへ寄って、その体を膝に抱えた。そして親の太公を振り仰ぎながら、気のどくそうな顔をした。
「……どうも、ちと図にのッて、お懲らしが過ぎましたなあ。しかし、どこもお怪我はしておりませんから、ご安心を」
「いやなんの。伜めには、よい薬でしたわい」
そうはいうものの、やはり親心か。太公は、われ知らず、額に滲ませていた冷たい汗を、道服の袖でそっと拭いた。そして、
「お客人。あらためて、とくとお話し申したいことがおざる。茶なと煮て、わしの房でお待ちしておりますぞ。おそれいるが、伜めを連れて、あとよりお越しくださらぬか」
と、杖を曳いて、画中の人のように、彼方の書楼へ向って立ち去った。