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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

すぐ戻りますから、二階で一ト休みなすっていておくんなさいまし」

という挨拶。

もう一同は、気も魂もない顔色である。いやという声もしない。性気のない“影”だけの人間みたいに、黙々とみな二階へ上がって行った。

「ついでに、この牝豚の張番もお願いしますよ」

婆の身もまた、二階へ追い上げられて行った。二階の窓、扉の口、ことごとく堅く閉め切り、階段には、従卒二人を、番人として残しておく。

そして、武松一人は、布ぐるみにした金蓮の首を小脇に抱え、紫石街を折れて、役署前の大通りを、こともなげに歩いていた。

ほどなく、きれいな楊柳並木の繁華街の一軒に、古舗めいた大店の間口が見える。朱聯金碧の看板やら雇人だの客の出入りなど、問わでも知れる生薬問屋の店だった。

武松はずっと入って、そこらを見廻し、一人の手代をつかまえて言った。

「ええと、たしか西門慶さまのお店は、こちらさんでございましたね、大旦那は、おいでですかえ?」

獅子橋畔に好色男は身の果てを砕き、

強慾の婆は地獄行きの木驢に乗ること

その日、西門慶は留守だった。事実、店にも奥にもいないらしい。番頭たちはそれと告げて、武松の血臭い風態の前に、おののいた。