Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
まず聞き給え。これには深い仔細のあること」
「言い抜けは無用だ、公辺にはもう真相は知れている」
「そもそも、その真相とは、劉高の拵え事です。まったくは」
「問答無用、陳弁ならば公庁で吐ざけ。おれはきさまにお縄を頂戴させるまでのことだ」
「上官と仰いで、一応のことわけを申すに、それすら聞いてくれないのか」
「叛乱人のくせに虫がよすぎる! 縛に服せ、小李広っ」
「なんの! かくなる上は」
広場をえらんで、双方の馬と馬、卍にもつれた。花栄の閃々たる白槍、秦明の風を呼ぶがごとき仙人掌棒、およそ四、五十合の大接戦だったが勝負はつかない。
その間じゅう、敵味方の金鼓と、わあッという喊声は、山こだまを揺り鳴らす。それはすばらしい二人の剣戟俳優の熱烈な演舞をたすける、劇音楽と観衆の熱狂みたいな轟きだった。――そのうちに花栄のほうが、
「これは勝てん」
と、あきらめたか、急に道をかえて逃げ出した。
「卑怯っ」
追ッかけた途端に、秦明のかぶとにカチンと矢が刎ね返り、朱い房が切れて飛んだ。
見れば、花栄はすばやく手槍を鞍わきの了事環(槍挟み)へ預けて、その手には半弓を持ちかえていたのである。