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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

「なに、兄貴は酒を飲んで寝ちまッたって」と、壮漢の声はあらあらしいが、駄々をこねているような調子もある。おそらくは老主人の息子であろうか。息子とすれば、兄貴兄貴といっているところから、次男坊にちがいない。「――どこに寝てるんだい兄貴のやつは。起しておくんなさいよ、父っさん。逃がしたと聞いたら、あとで兄貴のやつもくやしがるにちげえねえんだ」

「また喧嘩かい。よしなさい」

「喧嘩なんてものじゃねえよ。大恥をかかされたんだ。掲陽鎮の人中でさ」

「あまり顔をきかせるからじゃよ。さあおまえも奥へ入って寝ろ寝ろ」

「寝られるもんか、この虫がおさまらねえうちは」

「いったいどうしたことだ、人中で大恥をかいたとは」

「どこの馬の骨かしれねえ膏薬売りの素浪人が、無断で辻稼ぎをしていやがるから、そいつを追ッ払おうとしたら、見物の中から妙な野郎がいらざる邪魔をしやがったんで」

と、壮漢が言っているのを聞くと、どうも昼間のあのことらしい。――宋江は竹窓にかけていた手が冷たくなった。いや這いのぼる恐怖にそそけ立ってしまった。

壮漢はなおも「叩ッ殺してもあきたらねえ」と罵ッて。「たしかに、その首枷野郎と端公の三人づれは、こっちの方角へ逃げたと途々聞いたんだ、兄貴にも知らせて、取ッ捕まえずにおくものか」