Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「閣下、これは真っ赤なにせものです」
「ば、ばかなことをいえ! まぎれもない父の筆蹟を」
「いやいや、この印章は、尊大人がまだ翰林院の学士でいらせられた当時ご使用のもの。法帖には見えまするが、大臣現職の今日では、はやお用いではございますまい」
「……ふうむ?」
「それに父上からご子息へ宛てたご書面に、どうして諱ノ印を捺されましょうか。文辞はよくととのっておりますが、近ごろ当代四大家の書体をよく真似る者ありとも聞き及びますし、油断は相成りません。ともあれ、もいちど戴宗を召して、不審のかどかど、お問いただしあってご覧なされませ。……私も屏風の陰にひそんで、篤と彼の様を見届けておりますれば」
このとき、当の人戴宗は、ほぼ安心して、宋江の牢をひそかに訪い、大いに宋江を慰めて、久しぶりにわが家の門へ帰りかけていた途中にあった。
蔡九から追っかけの召をうけて、何事かと、再び彼の前へぬかずき出た。しかし蔡九の口吻もその眉もすでに最初のときのご機嫌ではない。
「戴院長。その方は、都で父の大臣に、直々お会い申したのか」
「はっ。すこぶるご健勝のていに拝されました」
「では、何事にも内門の取次をなす、門衛長も出てきたろうな、王と申す門衛長だが」