Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
朱富は飛んで来て、車上の女子らをそう励ましながら、
「ところで、手押し車なぞは、打捨ッて行け。目ぼしい物だけ箱馬車の方へ移して、無二無三、馬の尻をしッぱだき、ここから山東の方へ、車輪が壊れるまで急いで馳けろ。おれたちは、追手を要心しながら、すぐ後からつづいて行く」
「合点です」
朱富の店の若い者は、言下に、馭者台や馬車の尻へ飛び乗って、ムチを振鳴らし、またたくまに、野中の街道を、遠くへ没し去ってしまう。
……じっと、見送りすましてから、李逵は初めて、頭を掻いてあやまった。
「兄弟、この通りだ、かんべんしてくれ。ついまた酒の上から、とんだ心配をかけちまって」
「覚えていろよ、李逵」と、朱貴はわざと、懲らしめのために脅して言った。「山寨へ帰ったら、統領はじめ、宋江先生や呉用軍師にもありのままに言いつけてやるからな」
「後生だ兄き、そいつだけは、ゆるしてくれ。あんなにまで、道中禁酒の誓いを立ててきたのに、男としての面目玉もまるつぶれだ。悪くすると山寨を破門になるかもしれねえ」
「それほど性根には分っていながら、なんで因業旦那と有名な曹家の酒なぞ食らやがって、いい気になってしまったのか」