Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

「やれやれ、ほっとしたわい。ご近所の衆、まアこっちへ入って飲んでください。……いや申しおくれました。おまえ様が娘聟を助けておくんなすった石秀さんで」

「はい、よろしくどうぞ。ただいま、楊雄さんから兄弟のお杯をいただきました石秀と申すものです」

「豪気な男ぶりだの。わしにも、聟の義弟、こんなうれしいことはありませんがな」

「おじいさん。どうぞ一つ、お杯を」

「はい、はい。ところでお前さん、もとのご商売は」

「死んだ叔父貴について、つい去年まで獣いじりをしておりました」

「じゃあ、豚や羊の肉を解くことも上手なわけだの。じつはわしも元は肉屋稼業。ところが一人の聟どのが、牢屋勤めのお役人となったので、いまでは隠居しておりますのさ」

いつか、もう灯ともし頃。――まだこれからと飲んでいる連中は、あと勘定として亭主にあずけ、三人は町端れに近い楊雄の屋敷へひきあげた。酔歩まんさん。楊雄は上機嫌で、

「女房、女房。出迎えないか。弟を連れて来たんだよ。弟を見ろ、おれの弟を」

「あら、……あなた」

厨房の珠すだれを掻きわけて、良人の前に、あきれ顔を見せた細腰の美人がある。三日月の眉、星のひとみ、婉然と笑みをふくんだ糸切り歯が柘榴の胚子みたいに美しい。