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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

汗にぬれた手を、巧雲は、さもいとしそうに、それで自分の唇をつつむ。紅蘭に似るその瞼にもいっぱいな春心をいわせながらである。

お斎は一刻。やがて般若湯(酒)もすっかり廻ると、また祭壇へ出て宵のお経。また休息、またお経。明け方ぢかくまでそれがつづく。

次第にお経は乱調になる。坊主もみんなへべれけなのだ。猥談猥語も出かねない。巧雲はおとりもちを人にまかせて、いつか小部屋の暗がりに如海をひきいれて口説していた。

「ねえ師兄さんてば。……おちつかないのね」

「だって、檀家先へ来て」

「あらいやだ。水くさい。わたしそんなつもりじゃありませんのよ。わからない」

「どう? ……。なにを」

「まあ、憎い。わかってるくせに。血盆経の願ほどきに、きっと行きますわよ。いいこと」

「しかし、昼にちょっとみた、あの義弟さんとかいう若いの。あの眼が気になるね」

「ち、あんなの、何でもありゃしない。いわば居候も同様なのよ」

「楊雄さんだって、そうそういい顔ばかりもしていまい」

「だいじょうぶ。うちの良人ときたら、お勤め第一の道楽なし。それにわたしのいうことならさ、なんだってもう」

「そんないいご主人があるくせに、どうしてこの身のような者へ」