Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「なあに、梁山泊の寄手ぐらいに、ビクともするご領主じゃありませんよ。ここらのご城下だけでも一万戸の余もあるし、岡の東西にはまだ二つの村があって、東には撲天の李応さま一族がひかえ、西には扈の大旦那をかしらに、あだ名を一丈青といって、ひとり娘だが、扈三娘というたいした腕前の女将軍もおいでなさる」
「ほ。お嬢さんでいながらね。それにひきかえ、てまえなどは、さっきからもう足のふるえがガクガクとして止まりませんや。いったい、無事な所へ出るにはどう行ったらいいでしょうか」
「道かね」と、老人はすこし口を濁し気味だったが、「……ま、こっちの部屋へ来て、飯でも喰べて行きなさい」
「どうも、とんだお世話にあずかって相すみません。おじいさん、失礼ですが、お名まえは」
「わしかね、わしは二字名の苗字で、鐘離といいますのさ。この地方には、祝という姓が多いんだが」
「祝氏でかためられているわけですか。ところで、その祝家荘からほかの土地へ出るには一本道でしょうか」
「どうして、ここらの道は蜘蛛手になっていて、迷い込んだがさいご、皆目、出道のわからぬ何とかの藪知らずも同然だ」
「ヘエ、そんな迷路なんですか」