Japanische Klassiker mit Furigana
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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
Lesen Sie 新宝島 (しんたからじま) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.590 Zeichen · 197 Bildschirme
南洋の土人なれば、そんな下手なことをしないで、実を手ぎわよく二つに割って、皮についたドロドロした白い肉をたべるのですが、少年たちにはそんな上手なたべ方は出来ません。でも、それで十分なのです。つゆだけでも胃袋が一ぱいになるほどでした。
「おいしいね。僕、こんなうまい汁、生まれてからはじめてだよ」
保君は、唇につたう汁を、手のひらで横なでにして、ベタベタ舌つづみをうって、感じいったようにいうのでした。
「ウン、僕も。椰子の実って、こんなにおいしいものとは知らなかったよ」
「まるで舌がとけるようだね」
口々にそんなことをいいながら、おなか一ぱい甘い汁をすってしまいますと、のどのかわきがとまったばかりでなく、おなかもくちくなって、すっかり元気を取りもどすことが出来ました。
「オヤ、犬はどうしたんだ。あいつもおなかがすいているだろうに」
一郎君はそれに気がついて、ふしんらしく言いました。最前まで、あんなにはしゃいで、三人のまわりを走りまわっていた犬の姿が見えないのです。
この犬にはまだ名がついていませんでした。もと海賊に飼われていた犬で、支那人の船員たちは何だか妙な名で呼んでいましたが、少年たちはこの可愛い犬を、海賊のつけた名で呼ぶ気にはなれないのです。