Japanische Klassiker mit Furigana
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
Lesen Sie 日本の諸国物語 (せっしょうせき) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.040 Zeichen · 158 Bildschirme
娘はだいじそうにそれを抱えて、
「うれしい、うれしい。」
といって、はね回っていました。するとおとうさんは、また一つ平たい箱を出して、
「これはお前のおみやげだ。」
といって、おかあさんに渡しました。おかあさんも、
「おや、それはどうも。」
といいながら、開けてみますと、中には金でこしらえた、まるい平たいものが入っていました。
おかあさんはそれが何にするものだか分からないので、うらを返したり、おもてを見たり、ふしぎそうな顔ばかりしていますので、おとうさんは笑い出して、
「お前、それは鏡といって、都へ行かなければ無いものだよ。ほら、こうして見てごらん、顔がうつるから。」
といって、鏡のおもてをおかあさんの顔にさし向けました。おかあさんはその時鏡の上にうつった自分の顔をしげしげとながめて、
「まあ、まあ。」
といっていました。
二
それから幾年かたちました。娘もだんだん大きくなりました。ちょうど十五になった時、おかあさんはふと病気になって、どっと寝込んでしまいました。
おとうさんは心配して、お医者にみてもらいましたが、なかなかよくなりません。娘は夜も昼もおかあさんのまくら元につきっきりで、ろくろく眠る暇もなく、一生懸命にかんびょうしましたが、病気はだんだん重るばかりで、もう今日明日がむずかしいというまでになり