Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せっしょうせき

日本の諸国物語

楠山 正雄

Lesen Sie 日本の諸国物語 (せっしょうせき) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.040 Zeichen · 158 Bildschirme

Aozora Bunko

その光の中にかすかに人らしい姿が見えたので、保名はほっとして、痛む足をひきずりひきずり、岩角をたどって下りて行きますと、それはこんな寂しい谷あいに似もつかない十六七のかわいらしい少女が、谷川で着物を洗っているのでした。少女は保名の姿を見るとびっくりして、危うく踏まえていた岩を踏みはずしそうにしました。それから保名の血だらけになった手足と、ぼろぼろに裂けた着物と、それに何よりも死人のように青ざめた顔を見ると、思わずあっとさけび声をたてました。保名は気の毒そうに、

「驚いてはいけません。わたしはけっして怪しいものではありません。大ぜいの悪者に追われて、こんなにけがをしたのです。どうぞ水を一杯飲ませて下さい。のどが渇いて、苦しくってたまりません。」

といいました。

娘はそう聞くと大そう気の毒がって、谷川の水をしゃくって、保名に飲ませてやりました。そしてそのみじめらしい様子をつくづくとながめながら、

「まあ、そんな痛々しい御様子では、これからどこへいらっしゃろうといっても、途中で歩けなくなるにきまっています。むさくるしい家で、おいやでしょうけれど、ともかくわたくしのうちへいらしって、傷のお手当をなさいまし。