Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せっしょうせき

日本の諸国物語

楠山 正雄

Lesen Sie 日本の諸国物語 (せっしょうせき) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.040 Zeichen · 158 Bildschirme

Aozora Bunko

」

といいました。

保名は大そうよろこんで、娘の後についてその家へ行きました。それは山の陰になった寂しい所で、うちには娘のほかにだれも人はおりませんでした。この娘は親も兄弟もない、ほんとうの一人ぼっちで、この寂しい森の奥に住んでいるのでした。

その明くる日保名は目が覚めてみると、昨日うけた体の傷が一晩のうちにひどい熱をもって、はれ上がっていました。体中、もうそれは搾木にかけられたようにぎりぎり痛んで、立つことも座ることもできません。そこで保名は心のうちには気の毒に思いながら、毎日あおむけになって寝たまま、親切な娘の世話に体をまかしておくほかはありませんでした。

保名の体が元どおりになるにはなかなか手間がかかりました。娘はそれでも、毎日ちっとも飽きずに、親身の兄弟の世話をするように親切に世話をしました。保名の体がすっかりよくなって、立って外へ出歩くことができるようになった時分には、もうとうに秋は過ぎて、冬の半ばになりました。森の奥の住まいには、毎日木枯らしが吹いて、木の葉も落ちつくすと、やがて深い雪が森をも谷をもうずめつくすようになりました。保名はそのままいっしょに雪の中にうずめられて、森を出ることができないでいました。