Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
Lesen Sie 日本橋 (にほんばし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.697 Zeichen · 177 Bildschirme
私だって放しに来ました、見て下さいな。」
片手を添えて、捧げたのは、錦手の中皿の、半月形に破れたのに、小さな口紅三つばかり、裡紫の壺二個。……その欠皿も、白魚の指に、紅猪口のごとく蒼く輝く。
巡査も葛木も瞳を寄せた。
「あら、小さいんで極りの悪い事ね……お価が高いもんですから、賤の女でござんすわいな。ほほほほほ。」
桃の花片そこに散る、貝に真珠の心があって、雛を懐う風情かな。
「お座敷帰に、我家の門から、奴に持たして出たんですがね。途中で威かしたもんだから、押放出して遁げたんですもの。ヒヤリとしたわよ、真二つ。身上大痛事。これを拾う時の拙者が心中、心持というものは、御両所、御推量下されい。
それでも、孝の字大達引。……ねえ、そんな思いをして迄だって、放しに来たんじゃありませんか。ねえ、現在。」
と左右を見つつ、金魚鉢を覗くごとく、仇気なく自分も視めて、
「お分りになって、旦那。……お許しを受けないと、また叱られるとなりません……もう可いでしょう、ちょいと、放しますよ。」
巡査の、ものも言わない先、つかつかと欄干越。
「一石橋に桃が流れる。どんぶりこ。」