Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんばし

日本橋

泉 鏡花

Lesen Sie 日本橋 (にほんばし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.697 Zeichen · 177 Bildschirme

Aozora Bunko

「貴方、同じ柄で頼母しいでしょう、清葉さんの長襦袢と。」

学士は黙って額を圧える。

「姉さん、枕よ……」

「不作法だわ、二人で居る処へたった一ツ。」

「知らない、姉さんは。」

「持ってお帰り。」

「はい。」

と立って、脛をするすると次の室へ。襖を閉めようとしてちょっと立姿で覗く。羽二重の紅なるに、緋で渦巻を絞ったお千世のその長襦袢の絞が濃いので、乳の下、鳩尾、窪みに陰の映すあたり、鮮紅に血汐が染むように見えた――俎に出刃を控えて、潰島田の人形を取って据えたその話しの折のせいであろう。

凄さも凄いが、艶である。その緋の絞の胸に抱く蔽の白紙、小枕の濃い浅黄。隅田川のさざ波に、桜の花の散敷く俤。

非ず、この時、両国の雪。

葛木は話したのである。

「姉の優しい眉が凜となって、顔の色が蝋のように、人形と並んで蒼みを帯びた。余りの事に、気が違ったんじゃないかと思った。

顔の色が分ったら祖母さんは姉を外へ出さなかったろうと思うね。――兄弟が揃った処、お祖母さんも、この方がお気に入るに違いない、父上、母上の供養の為に、活ものだから大川へ放して来ようよ……

で、出たっきり、十二時過ぎまで帰らなかった。