Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

Lesen Sie 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.300 Zeichen · 202 Bildschirme

Aozora Bunko

「めんちゃいね幸坊、ああちゃんが、悪かった、あんな恥ずかしい思いをさせて本当に悪かったわ、誰がなんと云ってもいい、幸坊はああちゃんの大事な子よ、なにもかもいつかはわかるんだもの、それまでがまんして辛抱しましょう、いまにきっと、――きっとなにもかもよくなってよ」

それからさらに近所の眼が冷たくなった。もちろんおせんも覚悟はしていた、どんなに辛く当られても仕方がない、そのときが来るまで黙って忍ぼうと決心していた。不自由なのは味噌醤油や八百屋物などの、こまこました買い物が近所で出来なくなったことで、駄菓子屋などでさえおせんには売って呉れない。これには当惑したけれども、そういつも買い物をするわけではなく、町内を出れば幾らでも買えるから、不自由なりにそれも慣れていった。

こうしてまわりの人たちと殆んどつきあいが絶えたが、二月じゅうはおもんがしげしげ訪ねて来た。たぶんどこかで噂を聞いたのだろう、それとなく慰めたり気をひき立てるようなことを好んで話すが、それはおせんの潔白を信じているためではなく、噂のほうを本当だと思っていて「それがなんだい」という口ぶりであった。