Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物記 (しょくぶつき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 165.848 Zeichen · 327 Bildschirme
ツバキが余り世間普通の品となっているため余り人々の注意を惹かぬ様ではあれど、考えて見るとツバキほど美事な花を開く木は少ないでしょう。そしてその小さい一、二尺の小木でさえも容易に大きな美花が咲くではないか。そしてそれが常緑の葉と相映じて発らくという立派さ、一寸と他に類の無い花木である。さればこそ西洋人はツバキに大変な趣味を持ち、もうずっと昔に沢山な苗木を欧洲に移植しそれを図説した立派な書物が疾くに出版せられて居りその書価も百円以上で日本は頓と顔負けがしている。
日本にも昔からツバキを写生した図は無いでも無く中には中々見事なものもあるが、しかしそれを出版してツバキ国の体面に恥じない大きな書物としたものはまだ一つもありはしない。ツバキの本国であり東洋で誇る花でありながらこんな有様では誠に残念至極で、ツバキは屹度世人の無情をかこちて泣いているでしょう。
ツバキは支那にもあって同国ではこれを山茶と称する。それはその嫩葉を茶と作して飲む事が出来るからそういうとの事であるが、日本ではそんな事は一向にしない。日本の昔の人は支那の海石榴をツバキの漢名だとしているが、この名は単にツバキ中のある品を指す名でツバキ全体を代表する名ではなく、これを代表する漢名は前の山茶である。