Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
この手紙をお受け取りになって、姉上貴女がお感じになる感情のすべてが、ごっちゃになって、一時に私の胸の中にも躍り狂ってくるからに違いありませぬ。
エリザヴェート姉上、永らく音信を絶っていましたが、私は無事で生きているのです。
生きて健康で、こんなにもピチピチと幸福に暮しています。ただ生きてこの世で再び貴女や義兄上に、お眼にかかれようとは絶対に考えられない淋しみのみが、限りなく私の心を暗くさせているばかりです。それほどまでにも、私は遥かなる遥かなる遠い国……不思議な不思議な、ほんとうに夢のように不思議な国へ来ているのです。
この国が何という名前の国であるかを知りません。またこの国が我々の住んでいる地球上の、どの辺に位しているかも知ることができません。
当時幾度か緯度や経度の観測もしたような覚えがありますけれど、この国へ漂着するまでは、幾度何十遍死生の境を彷徨したことか、あまりにも絶え間なき苦難の連続のために、もはや当時の記憶は磅として、ただ夢のごとくうつつのごとく、何一つ判然とは想い出すことさえもできぬからなのです。すでにこの国へ漂着してからざっと一年余りにもなりますけれど……そしてこの頃では言葉だけは大体差し支えない程度にわかってきましたけれど、それらのことが我々には少しもハッキリと飲み込めないのです。