Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
非常に厳重な函であった。しかもどういう造り方がしてあるのか、釘や鋲という物が一切これには使ってなかった。角々がことごとく嵌め込みになって、これだけの容積の函が浪に揉まれても、海底の岩にぶつかっても、ビクともせず、しかも水一滴浸透している形跡がないのであったから、これを造った大工の腕前というものは、けだし実に素晴らしきものであったろう。まさに入神の技術ともいうべきであった。ゴメズ君、あっちへ鋏を当ててみたり、こっちへ当てがってみたり、しばしが程は函の廻りをグルグルと歩き廻っていたが、どこをどうして捩じあけたものか、これもまた入神の臂力を出して、とうとう函の板を、一枚メリメリと無理無体に引っ剥がし取ってしまった。
中へ水を透かさぬ用心であろう、函の裏側には一面に、セロファンのごとき物で内貼りがしてあった。はたして水は一滴も浸みてはいなかったが、問題はこのセロファンのごとき物であった。紙ともつかず、金属ともつかず、硝子よりもっと透明であり、セロファンよりもっと薄く、もっと柔軟に、しかも刃物で切っても切れず、錐の先で突いても穴一つあかず、何という物か、頓と得体のわからぬものであった。