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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

内庭に面した扉の両脇には、長椅子が設けられて踊りを待つ間の来客が歓談している。顔見知りの夫人連の目礼に答えたような、そうでなかったような気もする。

殿下に手を執られて、甃を踏んでしっとりと露を帯びた、芝生へ降り立った。の大木が鬱蒼と枝葉を繁らせて、葉陰に二、三脚のベンチが置かれてある。人のいない一脚に腰を降したまでは覚えているが、さて殿下が何か仰有ったような……どうもその辺の記憶が定かでない。

「さ、夫人ここがよろしかろう。しばらくここで、休んでいられたがいい」

そして殿下も、傍らに腰を降された。

「恐れ入ります、飛んだ失礼を、申し上げまして……」

大空一杯に星を燦めかせた、冷え冷えした夜気が熱した頬に触れて、言わん方なく心地よい。そしてここから眺めていると、眩い灯光を浴びて踊っている人々が、何か影絵のような、映画の一駒でもあるような、違った世界を覗いているような気持がする。一分たったのか二分過ぎたのかを記憶せぬ。が、気分は段々に直ってきた。軽い疼きを頭の芯に覚えて、いつか脳貧血を起した時のように、掌がネットリと汗ばんでいる。そして、刻一刻、爽やかさを取り戻してきた。